「脇差(わきざし)」

「脇差(わきざし)」とは、日本刀のような長い刀が使用できないような環境の中で、刀を抜く必要が生じた際に、予備の刀として使用されていた日本刀よりも比較的短い刀になります。「脇差」は非正規の刀などといった形で言いあらわさられることもありますが、江戸時代、武士たちは「大刀」と呼ばれる長めの刀と「小刀」と呼ばれる脇差の二つの刀を帯刀していたそうです。当時「脇差」は、約60 CM 以上、30 CM 未満のものであるなどとされていたようです。江戸時代の武士たちが二つの大きさの違う刀を帯刀するに至るまでには、いくつかのきっかけとなるエピソードがあったようですが、その起源とされるところはハッキリとした出来事は判明していないようです。現代人がスマートフォンを外出時に2、3台持ち歩き使う目的によってデバイスの使い分けが行われるように、日本刀も必要に迫る用途によって使い分けが行われていたのはごく自然な事柄であるように思われます。